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不二桜が誕生するまで

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不二桜が誕生するまで

 

平成18年2月26日、山田造園が東寺にシダレザクラを植栽させていただきました

 

不二桜について

 

東寺の講堂の東側に、瓢箪池という大きな池を中心とする回遊式庭園があります。その一角に、ひときわ目を引く大きな枝垂れ桜があります。

高さ13メートル、枝張り10メートルというとても大きな木です。
この桜は、もともと岩手県盛岡市のある旧家で育てられ、平成6年(1994) 秋田県を経て三重県鈴鹿市の鵜飼農園が譲り受け、大切に育てられた樹齢120年を数える大木です。

平成18年(2006) が、弘法大師入唐求法の旅より帰朝されて1200年の記念にあたることから、東寺信徒総代から寄贈され、この場所に移植されました。弘法大師の「不二の教え」から「不二桜」と命名されました。
この桜は「八重紅枝垂れ桜」というエドヒガン系の種で、色の濃い八重咲きの桜です。移植可能な桜としては、国内最大級のものです。
 

 

移植されるまで

 

植栽予定地と移植前の不二桜の姿です。

三重県鈴鹿市の鵜飼農園でひときわ大きな存在感を放っていました。

 

 

 

 

移植にあたって

 

樹高は地上部の13mと鉢高1.8mを足すと15m弱の全長になり、トレーラーから大きくはみ出す長さになってしまいました。

葉張りは10m以上あったものを、運搬可能な4m程度まで絞る大変困難な作業になりました。

1ヶ月程時間をかけて、一部に負担がかかり、大切な枝が折れないように、竹、鉄筋などを添えて麻縄で縛り、少しづつ絞り込んでいきました。

 

 

 

 

いよいよ移植

 

 

根鉢はトレーラーに積込める最大の直径である3.5mにし、重機を使ってロープを引っ張りながら堅固に根巻きを行い、輸送中に振動で根鉢が崩れないように、作業を進めました。重量も10t程度ありましたので、積込みは25tクレーンで揚重し、吊上げた時に根鉢へのダメージを防ぐ為に、根鉢の周りを畳で覆い、積込み作業を行いました。

 

 寄進先である東寺の担当者、砂原総務部長、橋詰課長、そして不二桜が育てられた地域の氏神である、椿神社の神主様で安全祈願を行って頂きました。まさに神仏混合で、最後は神様、仏様にお願いするだけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレーラーに積込みを完了した状態です。このトレーラーは、エアサス装備の超低床タイプ(地上高50cm)で、精密機械を運ぶ為に造られた優れものです。

鈴鹿を夜中の1時に出発し、早朝に東寺に着く予定ですが、荷台から木が大きくはみ出した状態なので、無事に鈴鹿峠を越えられるかが心配です。

 

トレーラーの前に先導を務める乗用車と大型車、後導には山田造園と鵜飼農園のトラック、合計5台で車列を作りトレーラーを囲みながら京都に向かって出発しました。

 


 

 

 

 

 

そして京都へ

 

途中、何度か危機的な状態にも遭遇しましたが、何とか予定通り早朝5時に東寺に着きました。

東寺はご存知の通り、現存する一級の史跡で、10cm程度掘ると平安京の遺構が出てきます。遺構の保護と植栽条件を良くするために、1.5m盛土をして植えつけることにしました。周りは、十津川石の崩れ積で土留を廻らせ、客土は真砂土・完熟バーク・パーライト・炭(10~15mm)・完熟牛糞を混合し土壌改良を行いました。水極めにはインドール酪酸系の発根促進剤、微量要素・・・等思いつくことは全て行いました。

 

 

 

 

不二桜の誕生

 

無事に植栽を完了し、報道関係の方々を招いて記者会見を行いました。不二桜の移植工事を施工させて頂き、生涯の楽しみと、課題を頂いた気がします。不二桜が順調に成育し、優美な花で参拝者を楽しませ、弘法大師の教えを伝える一翼を担ってくれるのを目標に、大切に育てて行きたいと思います。