施工・修復

たかが垣根、されど垣根

年明けから、とある旧家の御庭を綺麗にする工事をさせていただきました。吉野川が見下ろせる御庭です。

こちらの写真は工事の最終、茶室前の垣を直しているところ。

たかが垣根、されど垣根

今回は、竹の穂を束ねた松明垣。束の太さや間隔で雰囲気が変わるので、この場に合うように材料を考えていく必要があります。

ここは吉野川を見下ろせる場所なので、川やその向こうの山々が見えるよう、丈は短めです。

その分松明が太いと重く野暮ったく見えるので、少し細みに仕立てた松明を組んでいきます。

どの程度の太さにするのか、間隔はどうするのか、何気ないようでもそこが庭師の腕の見せ所です。

垣根とひとくちに言っても、よく見かける竹垣だけでも実に様々ですし、竹の穂(枝)を使うこのような穂垣まで、

いかに竹を使いつくしその場にあったものを作っていったのか、垣根のバリエーションを見ていると

先人の工夫と美意識が伝わってきます。

茶室周りは特に日本の美意識がよく表れているように思います。