施工・修復

「変化するもの」「変化しないもの」

先日 大本山 東福寺 通天橋内の階段改修工事を行いました。

改修の一部です。

写真右手にある石組を動かし、幅を広げてあげるというものなのですが、

工事中は、

「変化するもの」「変化しないもの」

このように

ラインから左側と右側で、階段というひとまとまりの空間が、

「変化するもの」「変化しないもの」

と、言葉で分けて捉えて、考えると右側の石組の作り方が見えてくるのかもしれないなぁと、先輩の作り上げた形をみてから思いました。

赤のラインの凹凸は新しく据える延べ石と既存のものとの境目を表してます。

平らな面・角ばったライン、どちらかを特徴強く持った石

幅が広がる分、どこにどんな向きで石を据えれば、空間がのっぺりとせず、むしろ、躍動感を見せることが出来るのか。

「変化しない」部分から、作り手はどんな印象を受けたのか。

「変化しないもの」「変化するもの」をどのように読み取って、

「変化させられる」か考えることで、

広がった幅はのっぺりしてしまいもすれば、躍動感のある空間にもなるんだなぁと。

改修後、新しい空間としてのまとまりに繋がることを、現場を通して感じました。

「変化するもの」「変化しないもの」

宜しければ、お越しの際は、「この石がもしカーブの内側に入り込んでなかったら」と、

その石を手で隠して,違う形の石が入った時を想像してみると良いかもしれません。

携わった職人の意図が、ふと思い浮かぶかもしれません。