施工・修復
だからなんです
たたき、というのがどんなものがご存知でしょうか?
食べ物のたたきのじゃなく(そういえばあれは何でたたきって呼ぶんでしょう…)
いわゆる土間の事を「たたき」と呼ぶのを聞いた事があるかと思います。
漢字で書くと「三和土」
土、にがり、石灰の三つを混ぜて作るから、三和、なのだそう。
使う土によって配合が変わり施工も手間がかかるため、今ではコンクリートの土間にとってかわられつつありますが、
京都の町家の土間等は、本物のたたきのところも多いですね。
土の風情が残る仕上がりが他には代えがたく、寺社や伝統建築ではまだまだ現役です。
でも、とても「たたき」とは読めそうもない漢字なのに、何故?かというと。
たたきの施工現場↓です。
この写真では少しわかりにくいですね…。
職人の持つコテが、よーく見るとぶれてるんですが。
つまり、これで叩いているんです。
本来はもっと大きいものや木槌などで叩くのですが
今回の現場は細かい場所だったのでこうなりました。
主原料が土なので、混ぜて均すだけではこの写真のように見た目はただの土です。
しかしこれを叩いて叩いていくうちに、石灰やにがりの科学変化の助けもあり、触っても崩れないどころか叩いても大丈夫な固い土間に仕上がります。
ひたすら人力で叩くのみ、なので、どれだけ広い場所でも皆が木槌や道具を持ってどんどんと叩き続ける…、そりゃあ「たたき」と名付けたくなる状況だったんでしょう。
そして、施工中は単なる土にしか見えない地面も、施工後は、
このように、土の風合いの出た土間に。
もちろん触っても乗っても叩いてもびくともしません。
やはり和の風情にはぴったりです。
今回使用した土は三和土用の材料として用意されているものですが、当社住所の地名でもある深草の名がついています。
昔からこの辺りの土は京都の三和土の土として重用されてきたんだそう。
こういう伝統が近所のそこかしこに生き延びているのは京都ならでは、で嬉しい限りです。