その他

細かいところにも

先日、施主の要望もあって久しぶりに、足立美術館庭園に行ってきました。

アメリカの庭園専門誌で9年連続日本の庭園ランキングNo.1を獲得したという、お客様が憧れるのもわかる名園です。

何気なく写真を撮っても絵のような風景になるのは見ての通り。

しかし良く知られているこういった風景より、さすがと思うのは細部にわたるこだわりかもしれません。

今回着目したのは、庭を区切る結界の柵です。

通常、結界に使用するものは杉丸太を焼いたものにロープを通したもので、ほぼどこの庭園でも同じ意匠。個性的なものには余り出会ったことがありません。
しかし足立美術館で見たものは、少し湾曲した‘くせ’のある木をわざわざ選び、通常の焼丸太より長い時間焼いた後、年輪が浮き上がるように荒縄等で良くしごくという加工をかけ、そこに二列のシュロロープが絶妙なバランスで通されて、シンプルですが庭の名脇役といった風情です。
このような目立つ部分ではないものにも、自然にその場に溶け込むよう、選んだ素材を更に加工して使うというあくなきこだわりがこの庭を名園たらしめているのかもしれません。